扁桃周囲膿瘍で死亡するリスクとは?喉の激痛放置が招く窒息と敗血症
扁桃周囲膿瘍で死亡するリスクとは?喉の激痛放置が招く窒息と敗血症について詳しく解説いたします。最新の情報をご確認ください。
扁桃周囲膿瘍と確定診断された場合、外来での内服薬処方だけで帰宅させられることはまずありません。物理的に溜まった膿を体外へ排出し、強力な抗菌薬を点滴投与しなければ炎症の連鎖を断ち切れないためです。
治療の第一選択となるのが、注射針で膿を吸い出す「穿刺吸引」またはメスで切開する切開排膿処置です。患者が最も恐怖を覚えるのがこの処置の疼痛ですが、開口障害がある中で局所麻酔のスプレーや注射を行い、腫脹が最も強い部分を数ミリから1センチほど切開します。切開部位から悪臭を放つ黄色い膿が数十ミリリットル排出された瞬間、神経や血管への圧迫が劇的に解除され、それまで口すら開かなかった患者の開口度がその場で改善し、激痛が驚くほど軽快することも特徴的です。
排膿後は、原因菌を叩くための広域抗菌薬(ペニシリン系やセフェム系、嫌気性菌をカバーするクリンダマイシンなど)の大量点滴静注が行われます。扁桃周囲膿瘍の入院期間は、炎症マーカー(CRPや白血球数)の改善、解熱、および自力での経口摂取が可能になるまで、およそ5日間から7日間が一般的な標準スケジュールです。
なお、退院後も再発リスクが燻留まるケースがあります。特に過去に何度も急性扁桃炎を繰り返していた患者の場合、膿瘍が治静化した数ヶ月後に口蓋扁桃そのものを外科的に摘出する「口蓋扁桃摘出術」が根本治療として強く推奨されます。