批評家・江藤淳の生涯と自死の真相|遺書と代表作から迫る孤高の精神
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江藤淳を語る上で欠かせないのが、同時代を駆け抜けた巨人作家たちとの緊張感に満ちた関係です。なかでも三島由紀夫と大江健三郎という、日本文学界を代表する二大巨頭との対峙は、戦後文壇史の白眉といえます。
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三島由紀夫とは、文学的才能を互いに認め合いながらも激しい火花を散らしました。1970年に三島が市ヶ谷駐屯地で割腹自決を遂げた際、江藤は深い衝撃を受けつつも、その死の美学や行動の文脈を冷静かつ冷徹に批評し、作家・三島由紀夫の本質を深く抉り出しました。
一方、同世代の旗手としてほぼ同時期に文壇に登場した大江健三郎とは、当初は互いの才能を高く評価し親交を結んでいました。しかし、戦後民主主義を肯定・擁護する大江と、その偽瞞を暴こうとする江藤との思想的断絶は徐々に深まり、やがて決定的な対立へと至ります。二人の論客による緊張感あふれる言論の応酬は、戦後日本の知識人が抱えた左右の思想的葛藤そのものを体現していました。