鈴虫の飼い方完全版!すぐ死ぬ原因と共食いを防ぐ隠れ家・卵の越冬術
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鈴虫を飼育する最大の喜びは、何と言ってもあの涼やかな鳴き声です。しかし、「何日待っても一向に鳴き声が聞こえてこない」という相談がネットの質問箱や専門店に頻繁に寄せられます。その原因を紐解くには、まず雌雄の判別と発音メカニズムを理解しなければなりません。
根本的な事実として、鳴くのはオスだけです。メスは発音器を持たないため、一生鳴くことはありません。鈴虫のオスとメスの見分け方は、成虫の外見的特徴を見れば一目瞭然です。
オスの前翅(はね)は幅が広く、うちわのような丸みを帯びており、表面にヤスリのような太い翅脈が複雑に入り組んでいます。この左右の翅を垂直近くに立てて高速で擦り合わせることで、「リーン」という澄んだ共鳴音を発生させます。一方のメスは、翅が細長くスマートで翅脈も平行に走っているほか、腹部の先端から後方に向かって針のように細長い「産卵管」が真っ直ぐ伸びています。ケース内がメスばかりであれば、どれほど環境を整えても音色が響くことは絶対にありません。
オスが存在するにもかかわらず鈴虫が鳴かない理由には、主に以下の4つの環境的阻害要因が存在します。
第1に「照明の当たりすぎ」です。鈴虫は繊細な夜行性昆虫であり、強い光の下では捕食者を警戒して身を潜めます。リビングのLED照明が深夜まで煌々と照らされている環境では、鳴き声を発する安心感を得られません。夕方以降はカバーをかけて薄暗くするか、静かな部屋に移動させる必要があります。
第2に「周囲の騒音と振動」です。テレビのスピーカーの近くやドアの開閉による振動が伝わる場所では、警戒アラートが作動して鳴き止んでしまいます。
第3に「羽化からの日数不足」です。脱皮して成虫になったばかりのオスは、翅のキチン質がまだ柔らかく固まっていません。完全に硬化して綺麗な共鳴音を出せるようになるまでには、羽化後3〜5日ほどの養生期間を要します。
第4に「単独飼育によるモチベーションの欠如」です。鈴虫の鳴き声は、縄張りを主張する「威嚇音」と、メスを惹きつける「求愛音」に分かれます。ケース内にオスが1匹しかおらず、メスも存在しない環境では、鳴く刺激が乏しくなります。オス複数匹とメスを適正密度で同居させると、ライバル意識と求愛本能が刺激され、競い合うように力強く鳴くようになります。