西郷隆盛は侵略を望んだのか?征韓論の闇と明治六年政変の真実
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西郷らの遣韓計画に待ったをかけたのが、欧米諸国を巡る長い旅から帰国したばかりの岩倉使節団首脳陣だった。欧米列強の圧倒的な国力、近代的なインフラ、産業資本主義の凄まじい破壊力を肌で体感してきた大久保利通にとって、隣国との摩擦に国力を割くことは自殺行為に他ならなかった。
大久保が掲げたのは徹底した「内治優先」である。まずは国内の法制度を整え、殖産興業を推進し、列強に対抗しうる国力を蓄えることが先決だと主張した。感情論を排した冷徹なリアリズムと、道義を重んじる情熱的なリーダーシップ。両者の価値観の懸隔は、もはや対話で埋められるレベルを超えていた。