経営陣の号令はもう届かない?現場主導で勝つボトムアップ革命

経営陣の号令はもう届かない?現場主導で勝つボトムアップ革命とはどんな影響があるのか? 専門的な分析を丁寧に紐解いて紹介します。

現場発のアイデアを世界的なメガヒットへと育て上げるシステムとして、ピクサー・アニメーション・スタジオの共同創業者エド・キャットムルが導入した「ブレイントラスト」は示唆に富む。役職や序列を完全に排除し、監督やクリエイターが制作途中の不完全な作品に対して忌憚のないフィードバックをぶつけ合うこの仕組みは、上意下達の壁を破り、現場の違和感をクリエイティブの純度へと昇華させた。

イノベーションマネジメントの先駆者であるスリーエム(3M)の「15%ルール」も同様だ。勤務時間の15%を業務外の自由な研究に充てることを認めたこの制度から、世界的ヒット商品である「ポスト・イット」が誕生したのは有名な話である。現場の偶発的な好奇心を公式に制度化し、失敗を許容する余白を残すこと。これこそが、組織を陳腐化から守る防波堤となる。

前田 葵

前田 葵

サステナビリティ研究家

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest