ひぐらしの鳴き声はなぜ切ない?夕暮れだけに響く衝撃の理由を徹底解説
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「日暮(ひぐらし)」という和名や漢字表記から、夕暮れ時だけの専売特許と思われがちですが、現地で夜明け前のフィールドワークを行う調査員や早朝の登山愛好家にとって、別の時間帯の姿はよく知られています。それが夜明け前の薄明(はくめい)時に発生する「朝のコーラス」です。
ひぐらし朝に鳴く理由は、夕暮れ時とまったく同一の物理条件が成立するためです。日の出前の午前4時半から5時半頃、夜の闇から徐々に白み始め、光量が数百ルクスから数千ルクスへと立ち上がるタイミングで気温は一日の最低水準(約20℃前後)を記録します。この「薄暗く、涼しい」という条件が夕方と完全に合致するため、オスたちは夕暮れ時と遜色のない猛烈な大合唱を繰り広げます。
日中に鳴き声が途絶えるのはサボっているわけではなく、気温上昇と直射日光を避けてスギやヒノキの鬱蒼とした高木の樹冠部へ退避しているためです。ヒグラシ生息地と特徴を整理すると、平野部の乾燥した市街地を極端に嫌い、以下のような条件を備えた環境に集中してコロニーを形成します。
山間部の渓流沿い、鬱そうと茂るスギ・ヒノキの人工林やシイ・カシなどの照葉樹林、あるいは湧水があり適度な湿度と土壌水分が保たれた社叢(神社の森)です。アスファルトで覆われ、ヒートアイランド現象によって夜間も気温が下がらない都市部中心部では、幼虫が土中で生き残れず、成虫も乾燥に耐えられないため、自然と姿を消すことになります。