おしん父親役・伊東四朗の真相!喜劇王の壮絶な撮影秘話と名演の裏側
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1980年代初頭の伊東四朗といえば、『みごろ!たべごろ!笑いごろ!!』での「電線音頭」やベンジャミン伊東としてのキャラクターで、子どもから高齢者まで全国民を沸かせるトップコメディアンでした。その彼が、貧困にあえぎ娘を冷酷に突き放す東北の小作農・谷村作造を演じるというキャスティングは、当時の芸能界や視聴者に強烈な衝撃を与えました。
関係者や当時の制作記録によると、伊東四朗 おしん 起用理由の背景には、チーフ演出を担当した江口浩之ディレクターら制作陣の強い信念がありました。橋田壽賀子 脚本が描く作造は、ただ残忍で冷酷なだけの男ではありません。口減らしのために我が子を他家へ奉公に出さねば生きていけない、極限状態の小作農が抱える「無念さ」と「不器用な情愛」を併せ持つ複雑なキャラクターでした。
制作陣は「根っからの悪人を演じるシリアス俳優ではなく、底抜けの哀愁と人間味を身体の奥底に宿した人物でなければ、作造の悲哀は表現できない」と判断。名喜劇人こそが本物の悲劇を体現できるという確信のもと、白羽の矢が立ったのが伊東四朗でした。オファーを受けた伊東自身は当初、あまりの重役ぶりに困惑したと述懐していますが、脚本の圧倒的な密度と制作側の熱意に背中を押され、喜劇役者としてのキャリアを賭けて山形ロケの現場へと飛び込みました。