部下に退職代行を使われた上司の衝撃と会社側が取るべき法的実務
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受話器を置いた瞬間、頭が真っ白になり、血の気が引いていく――。退職代行使われた上司のショックは、マネジメント職のキャリアにおいて最も自尊心を削られる体験の一つと言えます。「なぜ直接一言も相談してくれなかったのか」「自分の育て方が悪かったのか」「上層部や他部署から無能な管理職の烙印を押されるのではないか」という焦燥感が一気に押し寄せます。大手メーカーの40代課長は当時の心境を取材に対し、「家族同然に目をかけ、残業も減らして手取り足取り教えていた部下だった。それが書類一枚、業者からの電話一本で関係を断ち切られたとき、人間不信になり数日間眠れなかった」と吐露しています。
一方、感情の波を押し殺さなければならない経営陣や人事担当者からは、より生々しい退職代行を使われた側の本音が漏れ聞こえます。最も大きな懸念は、現場に残された業務の穴埋めと顧客への影響です。「進行中案件のパスワードすら分からない」「今日納品予定の顧客データをどう引き継ぐのか」という実務の麻痺。さらに、「なぜ辞められた側が悪者のように扱われるのか」「辞める権利ばかり主張されて、組織としての責任感はどこへ行ったのか」という強い憤りを抱えるケースも散見されます。しかし、ここで怒りに任せた対応を取ると、企業コンプライアンス上の大失態へと直結する危険を孕んでいます。