五輪を支える奇跡の孤島アルサクレイグ島|花崗岩の秘密と売却の真相

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アルサクレイグ島の歴史は、カーリングの歴史よりもはるかに荒々しく、劇的な変遷をたどってきました。周囲を切り立った海食崖に囲まれたその孤絶した地形は、何世紀にもわたり外部からの侵入を阻む要塞として機能してきました。

16世紀の宗教改革期には、カトリック派の逃亡地やスペイン軍の補給基地候補として利用され、島の中腹には現在も廃墟となった「エイルサ城(Ailsa Castle)」の石造遺構が残されています。18世紀から19世紀にかけては密輸業者の格好の隠れ蓑となり、本土の監視を逃れてウイスキーやタバコを陸揚げする拠点としても使われました。

しかし、人間活動の拡大は島の生態系に壊滅的な打撃を与えました。19世紀後半、灯台守や石切り場の作業員に伴って島に持ち込まれたクマネズミ(ラット)が野生化し、天敵のいない島内で大繁殖したのです。その結果、島に営巣していた数万羽のニシツノメドリ(パフィン)やウミガラスの卵・ヒナが食い荒らされ、かつての大繁殖地は瞬く間に「沈黙の島」へと転落しました。

事態を重く見たRSPBと環境保護団体は、1990年代初頭に数千万円規模の予算を投入し、島内のネズミを徹底駆除する前代未聞のバイオセキュリティ作戦を敢行しました。険しい断崖絶壁にヘリコプターや特殊訓練を受けたレンジャー部隊が展開し、数年の歳月をかけてネズミの完全根絶に成功。この奇跡的な再生オペレーションにより、パフィンやシロカツオドリが島に戻り、現在では約4万ペアを超えるシロカツオドリ(ノーザンガネット)が密集して巣を作る、北大西洋屈指の巨大コロニーとして完全に蘇りました。

小林 直樹

小林 直樹

トレンドリサーチャー

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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