尾崎豊「15の夜」伝説の裏側―盗んだバイクと届き続ける叫び
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「盗んだバイクで走り出す」というあまりにも有名な一節。この歌詞は長年、過激な都市伝説とともに語り継がれてきた。果たして、少年時代の尾崎豊は本当にバイクを盗み、夜の街へ消えたのだろうか。
真相は、事実に密着した青年のリアリティにあった。中学時代、家訓や校則による抑圧に息苦しさを感じて家を飛び出した尾崎は、同級生たちと家出を敢行する。暗闇の公園で分け合った缶コーヒー、回し飲みした煙草。その場にあったのは、知人の放置バイクや借り受けた原付スクーターだった。完全な犯罪的強奪というよりは、行き場のない15歳の焦燥が引き起こした衝動的な脱出劇である。
語り草となっている「15の夜」の出来事は、フィクションではなく、彼の胸に深く刻まれた痛切な原体験そのものだった。現実に押し潰されそうになりながらも「自分は何者なのか」を問い続けた夜の情景が、あの生々しい歌詞へと結実したのだ。