武井咲『黒革の手帖』なぜ今も絶賛?米倉涼子版比較と衝撃結末の真相

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ドラマの根幹を支えたのは、スリリングな脚本展開です。未見の方のために黒革の手帖(武井咲版)のネタバレあらすじを振り返ると、物語は東林銀行世田谷北支店で派遣社員として働く原口元子が、大手クライアントたちの「脱税用架空名義預金」のデータを極秘裏に手帖へ書き写すところから動き出します。親の借金を背負い、派遣として蔑まれてきた元子は、銀行から1億8000万円を横領。違法預金を盾に銀行幹部を黙らせ、警察への通報を防ぐという前代未聞の完全犯罪を成立させます。

その大金を元手に、元子は銀座の一等地にクラブ『カルネ』をオープン。「誰の愛人にもならず、自分の力だけで銀座の頂点に立つ」と誓った彼女は、黒革の手帖を武器に、予備校理事長の橋田(高嶋政伸)や楢林クリニックの院長(奥田瑛二)ら魑魅魍魎の権力者たちから巨額の金を毟り取っていきます。そのなかで唯一、元子と互角の駆け引きを繰り広げ、互いに惹かれ合いながらも利用し合う政治家秘書・安島富夫役を江口洋介が好演しました。黒革の手帖キャストにおいて江口洋介の存在は、元子の「女としての弱さ」と「悪女としての矜持」をあぶり出す最高の触媒でした。

しかし、銀座最高峰のクラブ『ルダン』の買収をめぐり、政財界のフィクサー・長谷川庄司(伊東四朗)の巨大な罠が元子を襲います。黒革の手帖武井咲版の結末は、まさに視聴者に戦慄を与える展開でした。手帖を奪われ、カルネの権利も失い、信じていた者たちに背切られた元子。最終回では、妊娠の事実と安島への未練を抱えながらも、最後の手札を使って起死回生の一撃を試みます。しかし、警察の手が迫る銀座の交差点で、パトカーの赤色灯に照らされながら逃走を図る元子の背中――という、観る者の息を止めるようなクリフハンガーで幕を閉じました。

この未完の破滅から4年後の2021年1月、ファン待望の黒革の手帖の続編『拐帯行』(かいたいこう)がスペシャルドラマとして放送されます。実刑判決を受けて刑期を終えた元子が、金沢の高級クラブで再びホステスとしてゼロから立ち上がる姿を描いたこの作品では、渡部篤郎演じるITビジネスの成功者との新たな知略戦が展開されました。どん底に落ちてもなお、決して目を伏せず、権力者を冷ややかに見据える元子の復活劇は、彼女の物語が単なる懲悪劇ではないことを決定づけたのです。

佐々木 一輝

佐々木 一輝

ビジネス戦略アナリスト

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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