なぜ集団に縛られるのか?中根千枝『タテ社会の人間関係』の本質と病理

なぜ集団に縛られるのか?中根千枝『タテ社会の人間関係』の本質と病理についての最新情報をご紹介します。

DXの進展やリモートワークの定着、さらには専門性を武器にするジョブ型雇用の広がりによって、日本社会は「ヨコ社会」へと転換したのでしょうか。結論から言えば、タテ社会の力学は形を変えて今なお根強く残存しています。

チャットツールやオンライン会議によって物理的な組織の壁が低くなった2026年現在でも、チャットグループごとの閉鎖性や、画面越しに漂う「発言してよい空気・いけない空気」の探り合いなど、デジタル空間における新たなタテ関係が発生しています。職務記述書(ジョブディスクリプション)で役割を明確に定義しようとしても、実態としては「どの派閥の上司に気に入られているか」「組織内の空気を乱さないか」というタテの力学が評価や昇進を左右するケースは枚挙にいとまがありません。

制度として外資系の仕組みを導入しても、それを運用する人々の深層心理にある「場への依存」と「タテの序列意識」がアップデートされていなければ、形骸化した日本型組織の病理が再燃します。中根千枝の鋭い洞察は、私たちが無意識に囚われている「組織の呪縛」をメタ認知するための強力な思考ツールとして、今この瞬間も輝きを失っていません。

林 結菜

林 結菜

ライフスタイル編集者

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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