ナウマンゾウとマンモスの違いは?日本にいたのはどっちか徹底比較
ナウマンゾウとマンモスの違いは?日本にいたのはどっちか徹底比較の真相や最新動向に迫る! 専門的な視点で紐解きます。
彼らが列島を歩んでいたのは、新生代第四紀の更新世(約258万年前〜約1万1700年前)と呼ばれる時代です。この期間中、地球は幾度もの氷期と間氷期を繰り返していました。
ナウマンゾウは今から約30万年〜40万年前の中期更新世にはすでに日本列島に現れており、気候変動に適応しながら長きにわたって列島の生態系の頂点に君臨していました。対するケナガマンモスが北海道に到達したのは、寒冷化が極期に達した約4万数千年前以降の後期更新世とされています。
この更新世後期の日本列島で繰り広げられていたのが、旧石器時代の人類と大型哺乳類との生存を懸けた接触です。その動かぬ現場証拠を現在に伝えているのが、長野県の信濃町にある野尻湖ナウマンゾウ博物館が保管・展示する出土遺物群です。
野尻湖畔の湖底発掘調査は、1962年に地元住民がナウマンゾウの臼歯化石(通称「野尻湖第1号」)を偶然発見したことを端緒として半世紀以上続けられてきました。当時の発掘記録や研究者の手記には、「湖底の泥の中から、ナウマンゾウの肋骨や牙とともに、石を打ち欠いて作られたナイフ形石器や、ヤベオオツノジカの角を加工した骨器が同じ地層から姿を現した瞬間、現場には言葉を失うほどの緊張が走った」と記されています。
この発見は、人類がナウマンゾウを解体した「キルサイト(解体場)」の存在を証明するものでした。当時の旧石器人にとって、肩高2.5メートル、体重数トンに達するナウマンゾウは、膨大な肉と脂質、防寒具となる皮、そして骨器の材料を一挙にもたらす究極の獲物でした。湿地や湖畔のぬかるみに追い込み、大型の槍や落とし穴を駆使して仕留める組織的な集団狩猟が行われていた様子が、出土した骨に残る解体痕(カットマーク)からも科学的に裏付けられています。