反町隆史『Forever』誕生秘話|なぜ平成の月9名曲は今も響くのか

反町隆史『Forever』誕生秘話|なぜ平成の月9名曲は今も響くのかに関する深掘り解説を丁寧に解説いたします。

1997年7月30日にマーキュリー・ミュージックエンタテインメント(現ユニバーサルミュージック)から発売されたシングル『Forever』のジャケットには、異例のクレジットが刻まれています。「反町隆史 with Richie Sambora」。アメリカを代表する世界的モンスターバンド、ボン・ジョヴィのリードギタリストであるリッチー・サンボラの名が、日本の若手俳優のデビュー盤に堂々と並んでいたのです。

当時、飛ぶ鳥を落とす勢いでスターダムを駆け上がっていたとはいえ、歌手としては未知数だった23歳の俳優の楽曲に、なぜ世界最高峰のロックギタリストが名を連ねたのか。当時の音楽業界関係者の回顧録や制作現場の記録によると、そこにはマーキュリー傘下のポリグラムグループが持っていた国際的なコネクションと、ドラマ制作陣の並々ならぬ熱意が存在していました。

企画段階で制作チームが目指したのは、当時のJ-POPに溢れていた打ち込み主体のダンスポップスではなく、土埃の匂いがする「アメリカン・ウェストコースト・ロックの質感」でした。デモ音源の段階でそのビジョンに共鳴したリッチー・サンボラ側にオファーを出したところ、リッチー本人が楽曲の持つメロディアスな哀愁と反町の持つ生々しい存在感に興味を示し、海を越えた電撃的なコラボレーションが実現したのです。

楽曲のイントロで鳴り響く乾いたアコースティックギター、そしてサビで反町のかすれた歌声に重なるリッチー・サンボラの骨太なバッキングボーカルとエモーショナルなギターソロは、単なる客演の枠を遥かに超えていました。本場のロックの血が注ぎ込まれたサウンドは、1990年代後半の日本の音楽シーンにおいて極めて異彩を放ち、フジテレビ月9ドラマ名曲の系譜の中でも屈指の重厚感を生み出す決定打となったのです。

林 結菜

林 結菜

ライフスタイル編集者

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest