Jera碧南火力発電所の今|石炭最大手が挑む脱炭素と反対の真相
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最大の転換点となったのが、4号機(出力100万kW)を舞台に進められてきたアンモニア混焼実証プロジェクトです。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業としてスタートしたこの試みは、既存の大型石炭火力ボイラーにおいて熱量の20%をアンモニアに代替して燃焼させるという、世界でも前例のない実証実験でした。
アンモニア(NH3)は燃焼時にCO2を一切排出しません。石炭に20%混ぜて燃やすだけで、発電所単体から排出されるCO2を約2割削減できる計算が成り立ちます。現場では、アンモニア専用バーナーの開発や配管設備の防食・断熱施工、気化設備の設置が進められ、2024年の大規模実証によって燃焼安定性と大気汚染物質である窒素酸化物(NOx)の排出量が通常と同等以下に抑制できることが技術的に立証されました。
JERAが掲げる「JERAゼロエミッション2050」のロードマップにおいて、碧南火力は単なる一発電所ではなく、アジア全体の脱炭素モデルを提示するためのフラッグシップと位置づけられています。公式発表資料によれば、2026年現在は20%混焼の商用運用へ向けた最終調整に加え、さらに混焼率を50%以上へ引き上げるバーナー改造試験や、最終的なアンモニア専焼(100%)ボイラーの基本設計フェーズへと駒を進めています。老朽化の進む旧来型石炭火力を段階的に廃止しつつ、大容量の4・5号機をクリーン燃料タービンへと脱皮させる大胆な延命・転換シナリオが現場で進行しているのです。