ホルモン『鬱くしき人々のうた』歌詞の真実!亮君の闘病と0.5生懸命の真意
ホルモン『鬱くしき人々のうた』歌詞の真実!亮君の闘病と0.5生懸命の真意にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。
『鬱くしき人々のうた』の歌詞を紐解く上で避けて通れないのが、マキシマムザ亮君が直面したメンタルヘルスの危機です。2008年秋から2010年頃にかけて、バンドはアルバム制作や大規模ツアーのプレッシャー、さらにはナヲの出産に伴う活動休止など、激動の過渡期にありました。その最中、亮君の心身を突如として原因不明の不調が襲いました。
後に音楽誌『ROCKIN'ON JAPAN』等のインタビューや当時の公式ブログで明かされたところによると、亮君は突如襲いかかるパニック発作や自律神経失調、そして深刻な抑うつ状態に苛まれていました。「くるまって布団で暮らす」「手が痙攣 懸念が消えん 出かけれん」という歌詞は、文学的な誇張表現などではなく、当時の亮君自身の日常をありのままに書き殴った現場記録そのものです。外に出ることすら叶わず、ベッドの中で身体の震えと終わりの見えない恐怖に怯え続けた日々が、そのまま言葉へと昇華されています。
さらに歌詞の中には「薬 包丁 二一ト」という、思わず息を呑むような生々しい単語が登場します。精神科で処方された向精神薬に頼らざるを得ない葛藤、自傷衝動や自暴自棄の淵を覗き込んだ暗黒の記憶、そして社会的な活動から完全に隔絶されてしまった孤立感。亮君は自らの弱さや狂気を一切美化することなく、吐き気を催すような現実をそのまま音のキャンバスにぶちまけました。
タイトルにある「鬱くしき(うつくしき)」という言葉遊びにも、深遠なアイロニーと祈りが込められています。世間一般が尊ぶ「美しさ」を痛烈に皮肉りつつ、精神の暗闇の中で悶え苦しみながらも、今日を生き延びようと這いつくばっている人間こそが泥臭く美しいのだという、当事者だからこそ到達できた極限の人間賛歌がここに刻まれています。