七本槍の日本酒が酒通を唸らせる理由|滋賀・冨田酒造の真価と味の全貌

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日本酒のライト層の中には、「老舗の純米酒=昔ながらの重たい酒」と短絡的に捉えてしまう傾向があります。しかし、現代の冨田酒造が送り出す七本槍をその言葉で片付けるのは、完全な誤解です。

最大の盲点は、彼らが取り組む「低精白米の醸造技術」と「酸のコントロール」にあります。米をあまり削らない低精白(77%や80%など)の酒造りは、一歩間違えれば雑味だらけの飲みにくい酒になりかねません。しかし冨田酒造は、徹底した温度管理と緻密な麹造りによって、米の外側に含まれるミネラルやアミノ酸を「嫌な雑味」ではなく「複雑な旨みと心地よい渋み・酸」へと昇華させています。

琵琶湖北端の厳しい冬、雪に閉ざされる木之本の気候風土は、雑菌の繁殖を抑え、醪をゆっくりと低温で発酵させる理想的な環境をもたらします。さらに、滋賀県という土地自体が鮒寿司に代表される「発酵文化の聖地」です。発酵がもたらす酸の力、乳酸菌の働きに対する歴史的・文化的な理解の深さが、七本槍の骨格を支えています。現代のクラフトビールやナチュラルワインを好む若い世代が、七本槍の無濾過生原酒や木桶仕込みを飲んで「驚くほどモダンで立体的だ」と驚嘆するのは、まさにこの洗練された酸の設計があるからにほかなりません。

井上 凛

井上 凛

シニアコンテンツプロデューサー

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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