鼻の中のニキビが激痛を放つ理由とは?潰す危険性と正しい治し方
鼻の中のニキビが激痛を放つ理由とは?潰す危険性と正しい治し方についての真相をご紹介します。
鼻の内側に突起ができると、なぜ鼓動に合わせてズキズキと脈打つような激痛が生じるのか。その理由は、鼻腔の入り口である「鼻前庭(びぜんていえん)」特有の解剖学的構造にあります。
通常の背中や頬の皮膚下には厚い皮下脂肪組織が存在し、炎症が起きてもある程度のクッション性によって圧力が分散されます。一方、鼻前庭の皮膚は極めて薄く、直下にある鼻翼軟骨や骨膜と強固に癒着しています。組織に遊び(伸展性)がほとんどない密閉空間で細菌感染による炎症と腫れが生じると、組織内圧が急激に上昇します。この圧迫刺激が、患部に密に張り巡らされた三叉神経の末梢枝(前篩骨神経・眼窩下神経)を直接かつ連続的に刺激するため、わずか数ミリの腫れであっても耐え難い激痛へと発展するのです。
また、一般的に「鼻の中のニキビ」と呼ばれているものの多くは、皮脂詰まりを主因とするアクネ菌由来の尋常性痤瘡(にきび)ではありません。臨床現場で診断される主な疾患は、病態の進行度に応じて次の3段階に分類されます。
- 毛嚢炎(毛包炎):鼻毛の毛根を包む毛嚢に、黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌が侵入して起こる初期の限局性化膿性炎症。赤みと圧痛を伴う小さな丘疹が生じます。
- 鼻前庭炎:毛嚢炎が周囲の皮膚や粘膜境界部に広がり、鼻の穴の入り口全体が赤くびらん(ただれ)を起こしたり、黄色いかさぶた(痂皮)が固着したりする状態です。
- 面疔(めんちょう):毛嚢炎が深部の皮下組織まで破壊・拡大し、広範な硬結と激しい自発痛を放つ「せつ(癤)」へと進行したもの。鼻柱から小鼻全体、上唇にまで腫脹が波及します。
このように、見た目はニキビに類似していても、内部ではブドウ球菌群による急性化膿性感染が進行している現実を認識しなければなりません。