ギズモとグレムリンの決定的な違いとは?モグワイの正体と変態の謎を解剖
ギズモとグレムリンの決定的な違いとは?モグワイの正体と変態の謎を解剖の真相や最新動向に迫る! わかりやすい言葉で紐解きます。
ここで多くの観客が抱く疑問が生じます。「水がかかって増殖した他のモグワイたちは次々とグレムリンに変態したのに、なぜギズモだけは一度もグレムリンにならなかったのか?」という謎です。
分裂から生まれた宿敵「ストライプ」の邪悪さ
劇中、ビリーの友人ピートが不注意で水差しを倒し、ギズモの背中から5匹の新たなモグワイが弾け出します。その中でひときわ異彩を放っていたのが、頭頂部に白いモヒカンのような毛を持つ個体「ストライプ」でした。
ストライプをはじめとする新たに生まれたモグワイたちは、ギズモとは似ても似つかない悪意と悪戯心を持っていました。彼らはギズモを縛り上げて弄び、前述のとおり時計の細工によって午前0時を過ぎていることを隠し、ビリーから夜食を奪い取って意図的にグレムリンへと変態したのです。ストライプにとってグレムリン化は「事故」ではなく、より強大な破壊力を手に入れるための「意図的な進化」でした。
ギズモがグレムリンにならない2つの決定的な理由
ギズモが頑なにモグワイの姿を保ち続けた理由は、劇中の設定と、映画製作の現場における実務的な決断の双面から説明できます。
第一に、劇中設定における「ギズモの自制心と倫理観」です。ギズモは他のモグワイたちと異なり、人間に対して深い愛情と敬意を抱いていました。夜間に強い食欲に駆られることがあっても、それが破滅的な結果をもたらすことを本能的、あるいは知識として理解しており、掟を破るような行動を自ら厳しく律していたのです。
第二に、そして映画史においてより決定的なのが、製作総指揮スティーヴン・スピルバーグが下した方針転換です。クリス・コロンバスが執筆したオリジナルの初期脚本では、なんと「ギズモ自身がストライプに変態する」という戦慄の展開が予定されていました。愛らしい生き物が目の前で恐ろしいモンスターへと変わり果てるという、純粋なB級ホラー映画の文脈だったのです。
しかし、テスト撮影で完成したギズモのパペット(操り人形)を目にしたスピルバーグは、その圧倒的な愛くるしさに驚嘆。ジョー・ダンテ監督に対し、「このキャラクターを変態させて退場させるのは商業的にも感情的にも大損失だ。ギズモは最後まで主人公ビリーの相棒として残し、観客の感情移入の対象にすべきだ」と強く主張しました。この鶴の一声によって設定が大幅に書き直され、ギズモとストライプは「別の個体」として対立する構図が完成したのです。