アレクサンダーフレミングの知られざる素顔とペニシリン発見の真相

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1928年9月、フレミングはブドウ球菌の培養皿を放置したまま長期休暇に出かけた。戻ってみると、アオカビ(Penicillium notatum)が繁殖した部分だけ細菌が溶解していた——これが一般に流布する「ペニシリン発見の逸話」である。しかし、この「偶然」には重要な前提がある。当時の実験室は整理整頓が悪く、窓を開け放したままにしていたため、空気中のカビが混入しやすかった。つまり、フレミングの「ずぼらさ」が発見を生んだというのが通説だ。

ただし、この逸話には「真相」をめぐる異論もある。一部の科学史家は「フレミングが意図的にカビを混入させた」と主張し、別の研究者は「彼は以前からカビの抗菌作用に気づいていた」と指摘する。しかし、フレミング自身が1945年のノーベル賞受賞講演で「私は偶然に助けられた」と率直に語った記録が残っており、過度な英雄視や陰謀論は妥当性を欠く。重要なのは、彼が「カビの周囲だけ細菌が死んでいる」という現象を注意深く観察し、その物質を「ペニシリン」と命名して論文に残した事実である。

木村 陽翔

木村 陽翔

テックライター兼ウェブディレクター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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