藤子・A・不二雄の真実|代表作の光と影、コンビ解散の真相を総力取材
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二人が共有した「藤子不二雄」名義の作品群は、長きにわたり読者の間で「どちらが描いているのか」が曖昧なままでした。しかし、作風を丹念に解きほぐすと、両者の作家性は完全な対極に位置していたことが浮き彫りになります。
藤子・F・不二雄が『ドラえもん』『パーマン』『キテレツ大百科』に代表されるように、「すこし・ふしぎ(SF)」を基調とした純粋無垢な児童の夢や論理的構成美を追求した「白の天才」であったとすれば、藤子・A・不二雄は『笑ゥせぇるすまん』『魔太郎がくる!!』『プロゴルファー猿』のように、人間のドロドロとした欲望、抑圧された狂気、怪異、そして大人の哀哀を描き抜いた「黒の天才」でした。
安孫子氏の代表作には、児童漫画の体裁を取りながらも異界の住人と人間社会の摩擦を描いた『オバケのQ太郎』(合作)、忍術アクションと温かい人情劇を融合させた『忍者ハットリくん』、怪物界のプリンスが繰り広げる騒動を通じて他者との共生をユーモラスに描いた『怪物くん』、そして日本初の少年ゴルフ漫画として一世を風靡した『プロゴルファー猿』があります。いずれの作品にも、どこか影のある怪異や特異なアウトサイダーが登場し、日常を揺さぶるスリルが宿っています。