琵琶湖周航の歌の真相解明|原曲の謎と夭折した二人の数奇な運命
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ネット上の言説や一般的な理解において、しばしば見受けられる誤解について検証します。
誤解1:「小口太郎が吉田千秋の『ひつじぐさ』を聴いて詞をあてた」
これは明らかな誤りです。前述の通り、小口太郎自身は「ひつじぐさ」という原曲の存在を知らずに詩を書き上げました。宿で披露された詩に、仲間の三高クルーが「この詩はこの曲に合う」と偶然当てはめたのが実情です。小口太郎が盗作したわけでも、吉田千秋の曲に合わせて作詞したわけでもありません。
誤解2:「滋賀県の公式な『県民の歌』である」
滋賀県には公募によって制定された正式な「滋賀県民の歌」(1954年制定)が別に存在します。『琵琶湖周航の歌』は公式の県歌ではありませんが、滋賀県民の間での認知度や愛着は県歌を遥かに凌駕しており、事実上の「滋賀の第二の県歌」「県民愛唱歌」として扱われています。JR近江今津駅の列車接近メロディや、県内自治体の防災無線チャイムとしても広く日常に溶け込んでいます。
誤解3:「著作権侵害を巡る法的な泥沼劇があった」
作曲者判明の経緯がドラマチックであったため、権利を巡る争いがあったと誤認されることがありますが、それも事実とは異なります。小口太郎は1923年、吉田千秋は1919年に没しており、1993年の作曲者判明時点ですでに旧著作権法が定めていた死後50年の保護期間を満了していました。楽曲は完全にパブリックドメインとなっていたため、財産権上の係争が生じる余地はなく、純粋な音楽的・歴史的快挙として温かく受け入れられました。