天才を狂わせる数学の未解決問題|1億円の懸賞金とAbc予想の真相
天才を狂わせる数学の未解決問題|1億円の懸賞金とAbc予想の真相を徹底追究! 読者が気になる 重要ポイントを分かりやすく展開します。
数学の未解決問題のすべてが、高度な複素解析や多様体の知識を必要とするわけではありません。中には問題文のルールだけであれば、算数や数学を学んだばかりの中学生でもわかる数学の未解決問題がいくつも存在します。
その筆頭がコラッツ予想が未解決の理由として常に議論される「3n+1問題」です。ルールはこれ以上ないほどシンプルです。
- 任意の自然数を選ぶ。
- もし偶数なら、2で割る。
- もし奇数なら、3倍して1を足す。
- この操作を繰り返すと、どんな数字から始めても最後は必ず「4 → 2 → 1」のループに到達するのではないか?
実際に手元で計算してみると、例えば「6」は「6 → 3 → 10 → 5 → 16 → 8 → 4 → 2 → 1」となり、わずか8ステップで1に行き着きます。スーパーコンピュータを用いた実験では、2の68乗(約295京)を超える天文学的な数値まで例外なく1に収束することが確かめられています。2019年には天才数学者テレンス・タオが「ほぼすべての数において、コラッツ数列は任意に小さい値へと近づく」という歴史的な近似結果を示しました。しかし、「絶対に無限ループに陥って発散する数や、別のサイクルが存在しない」という完璧な証明は、依然として誰も提示できていません。
もう一つの代表例が、1742年に端を発するゴールドバッハ予想の詳細まとめです。プロイセンの数学者クリスティアン・ゴールドバッハが、大数学者レオンハルト・オイラーへ送った書簡に記されていたこの命題は極めて明快です。
「4以上のすべての偶数は、2つの素数の和で表すことができる」
例えば、$4 = 2 + 2$、$6 = 3 + 3$、$10 = 3 + 7$、$100 = 3 + 97$といった具合です。4京($4 \times 10^{18}$)までのすべての偶数で正しいことが計算機によって検証されています。2013年にはハラルド・ヘルフゴットによって「すべての5以上の奇数は3つの素数の和で表せる」という「弱いゴールドバッハ予想」が完全に証明されました。しかし、偶数を2つの素数で表すという「強いゴールドバッハ予想」は、足し算(加法)と素数(乗法的な要素)の相性の悪さが決定的な障害となり、オイラーの手紙から280年以上が経過した今も未解決のままです。