サムズアップとは?海外では重大な侮辱に?知られざる歴史と真相を徹底解説

サムズアップとは?海外では重大な侮辱に?知られざる歴史と真相を徹底解説についての真相をご紹介します。

サムズアップの起源を語る際、最も広く流布している説が「古代ローマのコロッセウムにおける剣闘士(グラディエーター)競技」に由来するというものです。敗れた剣闘士に対し、観客や皇帝が「親指を上げて助命(生かす)」を命じ、「親指を下げて処刑(殺せ)」を命じたというストーリーは、ハリウッド映画などを通じて世界中に定着しました。

しかし、古典文献学や歴史学の研究によって、この通説は後世に作られた重大な誤解であることが明らかになっています。

古代ローマの記録(風刺詩人ユウェナリスなどの著作)に登場する表現は「ポリケ・ウェルソ(pollice verso=親指を向けられた状態)」です。当時の研究者たちの分析によれば、処刑を命じる合図は「親指を突き出す仕草(剣で相手を突き刺す動作を模したもの)」であり、上下の向きは関係ありませんでした。一方、敗者を助命する際の合図は「親指を握り拳の中に隠す仕草(ポリケ・プレッソ=pollice presso)」であり、剣を鞘に納める状態を表していたとされています。

この歴史的事実が歪められた決定打となったのが、19世紀のフランス人画家ジャン=レオン・ジェロームが1872年に描いた名画『Pollice Verso』です。絵画の中で民衆が親指を下に向けて敗者の処刑を求めている構図が描かれ、それが20世紀以降の映画産業(映画『グラディエーター』など)へ無批判に継承された結果、「親指上=助命・善」「親指下=処刑・悪」という現代的な構図が後付けで定着しました。

現代に通じる「了解・準備完了」のサムズアップが軍事や航空の世界で爆発的に普及したのは、第二次世界大戦中の連合国軍(特に米英軍のパイロットたち)による無線交信の補助サインが発端です。そこから1970年代のヒッチハイク文化、さらには2000年代以降のFacebookや各種プラットフォームの「いいね!」機能によって、全世界へと急速に再輸出されていきました。

山田 真由

山田 真由

自動車・モビリティライター

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

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