喀血と吐血の決定的な違いとは?色で見分ける緊急度と命を守る対処法
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救急車を要請する際や医療機関のトリアージにおいて、医師や看護師が真っ先に確認するのが「血液の色」「気泡の有無」「混ざり物」です。出血部位の生理学的環境によって、吐き出された血液には視覚的・化学的に決定的な差異が現れます。
もっとも代表的な判別材料が喀血と吐血の色の違いです。肺や気管支から出る喀血は、空気中の酸素を豊富に取り込んだ動脈血であることが多く、鮮やかな赤色(鮮紅色)を呈します。さらに、呼吸運動に伴って空気と激しく攪拌されながら気道を上がってくるため、鮮血と泡の混入が顕著に見られます。痰の中に糸状に血が混じる程度(血痰)から、純粋な血液が泡立って噴出するケースまで様相は様々です。
対して消化管から生じる吐血は、胃酸の影響を強く受けます。血液中のヘモグロビンに含まれる鉄分が強力な胃酸(塩酸)と接触すると、化学反応によって「ヘマチン」という黒褐色の物質へと酸化されます。そのため、胃内に一定時間留まった血液は赤褐色や黒色へと変色し、まるで使い古したコーヒーの粉のような見た目になることから、臨床現場ではコーヒー残渣様(残渣=搾りかす)嘔吐物と呼ばれます。ただし、食道上部からの出血や、食道静脈瘤の破裂、胃動脈の破綻によって胃酸と混ざる暇もなく噴出する大量出血の場合は、吐血であっても鮮紅色を呈するため油断はできません。
生化学的な観点では、酸性アルカリ性見分け方も確実な鑑別指標です。消化管からの吐血はpH試験紙で測定すると胃酸を含んでいるため強酸性を示しますが、気道由来の喀血は体液本来の弱アルカリ性を示します。