ヤクザと暴力団員の違いとは?法律上の定義と歴史から迫る真相
ヤクザと暴力団員の違いとは?法律上の定義と歴史から迫る真相についての真相をご紹介します。
現在、暴力団員を取り巻く社会的環境は、映画やドラマに描かれる世界とは完全にかけ離れた「兵糧攻め」の極致にあります。その決定打となったのが暴力団排除条例の影響です。
全国の自治体で整備された暴排条例は、事業者に対して「暴力団への利益供与」を徹底的に禁じました。この結果、正規の暴力団員は銀行口座の新規開設はおろか、既存口座の強制解約、クレジットカード作成の拒絶、携帯電話の本人名義契約の不可、アパートやマンションの賃貸契約拒絶に至るまで、近代市民社会のあらゆるインフラから完全に排除されることになりました。
関東地方の指定暴力団を離脱した元幹部(50代)が残した手記には、その生々しい困窮の実態が記されています。
「昔は代紋(組織の看板)を背負っていれば、飲食店や建設業者から挨拶料が黙って入ってきた。だが今は、挨拶に来た側が条例違反で社名を公表され、仕事道具を奪われる。自分の名義では娘の学資保険も入れず、電気代の口座引き落としすらできない。組員であることはもはや特権ではなく、人権を剥奪される重荷でしかない」
こうした状況下で進んでいるのが、フロント企業と不透明化の実態です。組員バッジを外し、名簿から名前を抹消した「元組員」や親族名義で実質的に経営する建設会社、不動産業、産廃処理業、飲食チェーンなどを通じた資金洗浄が巧妙化しています。
暴力団捜査に30年近く携わってきた元警察庁捜査官は、取材に対して次のように警鐘を鳴らします。「表向きは暴力団員が減っているように見えますが、看板を隠して民間企業に擬態した『共生者』や、闇バイトを使って強盗・特殊詐欺を実行させる半グレグループの背後に回り、上納金を吸い上げる構造へと地下化が進んでいます。目に見えるヤクザが消えたからといって、社会の安全が達成されたと安易に捉えるのは危険です」