ピアノのペダルで音が濁る根本原因とは?3本の役割と上達する踏み替えの極意

ピアノのペダルで音が濁る根本原因とは?3本の役割と上達する踏み替えの極意に関する疑問や疑問点を初心者にも親しみやすくまとめました。詳細を読もうことができます。

ピアノの足元に配置されている3本のペダル。普段の練習では「一番右側ばかり使っている」という学習者も少なくありません。それぞれの名称と役割、さらにはピアノの構造による決定的な差異を把握することが、表現力向上の第一歩です。

最も頻繁に用いられる右側のペダルはダンパーペダル(サスティンペダル)と呼ばれます。ピアノの内部では、通常フェルト製の「ダンパー」が弦の上に密着して余計な振動を止めています。右ペダルを踏み込むと、内部にある88鍵すべてのダンパーが一斉に弦から離れます。打鍵した指を鍵盤から離しても弦が振動し続け、豊かな余韻と倍音の共鳴が生まれる仕組みです。

一方、左側に位置するのがソフトペダルです。実はこの左ペダルこそ、グランドピアノとアップライトピアノで内部機構が決定的に分かれる部分です。グランドピアノの左ペダルは別名「シフトペダル(ウナ・コルダ)」と呼ばれ、踏み込むと鍵盤とアクション、打弦ハンマー全体がわずか数ミリ右側(高音側)へとスライドします。ピアノの中音部から高音部では1つの鍵盤に対して弦が3本張られていますが、ハンマーが横にズレることで打弦数が減る、あるいは普段弦の溝がついていないフェルトの柔らかい部分が当たるため、単に音量が小さくなるだけでなく、音色そのものが柔らかく幻想的な響きへと変貌します。対してアップライトピアノのソフトペダルは、ハンマーレール全体を弦へ物理的に近づけて打弦距離を短縮する構造となっており、音色はほとんど変わらず打撃エネルギーのみを抑える仕様です。

最も誤解が多いのが真ん中のペダルです。グランドピアノの中央はソステヌートペダルであり、鍵盤を押した状態でこのペダルを踏むと、「その瞬間に弾いていた特定の音のダンパーだけ」が上がったまま保持されます。その後に弾く他の音にはダンパーがかかり続けるため、低音の持続音(保続音)を鳴らしながら高音部をスタッカートで軽快に奏でるといった、高度な表現が可能になります。しかし、一般的なアップライトピアノの中央ペダルはマフラーペダル(弱音ペダル)です。ペダルを踏んで左にスライドさせてロックすると、ハンマーと弦の間に薄いフェルト布が降りて打鍵音を強制的にミュートします。近隣への騒音配慮や夜間練習のために設計された実用機構であり、音楽的なニュアンスを変化させるためのペダルではありません。

中川 明日香

中川 明日香

ビジネス戦略アナリスト

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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