ニットとセーターの違いとは?素材と形状の決定打と失敗しない選び方
ニットとセーターの違いとは?素材と形状の決定打と失敗しない選び方の背景について、最新情報を詳しくお届けします。
アパレル業界における基本定義として、ニット(Knit)は編み物という「製法および生地」を意味し、セーター(Sweater)は編み生地で作られた「トップス」という特定の衣類を指します。両者は対立する関係ではなく、包含関係にあります。
語源を紐解くと、英語の「knit」は「編む」という動詞であり、1本の連続した糸でループを作りながら連続して編み上げた布地全般を指します。一方の「sweater」は、動詞「sweat(汗をかく)」に由来し、19世紀後半にイギリスのスポーツ選手(特にボート競技やフットボール選手)が汗をかいて減量するために着用した厚手のウール製プルオーバーが起源とされています。
したがって、論理的な分類は以下の図式で説明できます。
「セーターは、ニット生地を使って作られた上半身用の衣服(プルオーバー)である」
ニットという巨大なカテゴリーの中に、セーター、カーディガン、ニット帽、マフラー、手袋、ニットタイ、さらにはニットワンピースなどがぶら下がっています。店頭で「このニット可愛いね」と言う場合、それは「この編み物生地のトップス可愛いね」と表現していることになり、日常会話では通じるものの、厳密には素材と形を混同した表現と言えます。
では、なぜアパレルブランドのECサイトや実店舗では「ニット」と「セーター」が同義語のように使い分けられているのでしょうか。大手アパレル企業でMD(マーチャンダイザー)を務める関係者は、業界の裏事情をこう打ち明けます。
「かつて昭和から平成初期にかけては『セーター』と呼ぶのが一般的でしたが、2000年代以降、ファッション誌やセレクトショップを中心に、野暮ったさを払拭して都会的で洗練された響きを持たせるために『ニット』と呼称するケースが急増しました。現在では、検索エンジンのSEO対策やSNSのハッシュタグ対策として、両方の語を併記するブランドが定着しています」