人によって見え方が違う絵の仕組みとは?錯視の正体と心理テストの真相

人によって見え方が違う絵の仕組みとは?錯視の正体と心理テストの真相についての真相をご紹介します。

だまし絵や錯視の世界には、100年以上にわたって世界中で研究され、親しまれてきた歴史的な有名作品が存在します。代表的な作品の構造と、なぜ見え方が分かれるのかを詳しく紐解いていきましょう。

1. 「妻と義母」(老婆と若い女性のだまし絵)
1915年にイギリスの風刺画家ウィリアム・エリー・ヒルが発表した「My Wife and My Mother-in-Law」は、世界で最も有名な多義図形の一つです。斜め後ろを振り返る若い女性の顎のラインが、うつむく老婆の大きな鼻に見えるように緻密に設計されています。心理学の研究データによると、若い観察者は若い女性を最初に見つけやすく、高齢の観察者は老婆を最初に見つけやすいという傾向が報告されており、観察者自身の年齢や社会的意識が知覚に影響を与える好例とされています。

2. 「ルビンの壺」(図と地の分化)
デンマークの心理学者エドガー・ルビンが1915年に発表した作品です。中央の白い部分に注目すると1つの「壺」が見え、周囲の黒い部分に注目すると「向かい合う2人の横顔」が浮かび上がります。人間の視覚は、注目する主役(図)と背景(地)を同時に両方として認識することが難しく、脳がどちらを前景として選択するかによって見え方が瞬時に切り替わります。

3. 「アヒルとうさぎ」(アヒルとうさぎの錯視)
左を向いたアヒルのくちばしが、右を向いたうさぎの長い耳に見える有名な図形です。米国の心理学者ジョセフ・ジャストローが広めたこの図形では、イースター(復活祭)の時期にはうさぎに見える人が急増し、それ以外の季節にはアヒルに見える人が増えるという有名な実験結果があります。生活環境や文化的なイベントが、視覚の解釈に直接介入している証拠といえます。

4. 「青と黒か、白と金か」(色の見え方が違うドレス問題)
2015年にSNSを席巻したドレスの画像は、形状ではなく「色の認識」が真っ二つに割れた歴史的ケースです。この現象の鍵は、脳が働く色の恒常性にあります。写真全体が「青みがかった日陰にある」と脳が無意識に判断した人はドレスを「白と金」と補正し、「黄色っぽい人工照明の下にある」と判断した人は「青と黒」と補正して認識しました。網膜の錐体細胞の感度や、日常生活での日光・人工光への露出バランスがこの認識差を生み出しています。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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