オルタネーターとは?バッテリーとの違いや故障の前兆・交換費用まとめ
オルタネーターとは?バッテリーとの違いや故障の前兆・交換費用まとめについて重要なポイントを解説いたします。専門家の見解をチェックしてください。
車の電気システムを理解するうえで、最も混同されやすいのがオルタネーターとバッテリーの違いです。両者は車の電力を支える車載コンポーネントですが、果たす役割と電力の流れは根本的に異なります。
バッテリーが「電気を蓄えておくタンク(蓄電池)」であるのに対し、オルタネーターは「電気を生み出す発電機」です。エンジンを始動させるスターターモーターを回す瞬間こそバッテリーに蓄えられた電力が使われますが、一度エンジンが始動した後は、車内で消費されるすべての電力(ヘッドライト、エアコン、オーディオ、ECUなど)はオルタネーターが発電してまかなっています。同時に、始動時に消費したバッテリーの電力を回復させるための充電もオルタネーターの役割です。
オルタネーター発電の仕組みは、物理の電磁誘導の原理に基づいています。エンジンのクランクシャフトの回転がドライブベルト(ファンベルト)を介してオルタネーター内部のローター(回転子)に伝わり、電磁石が回転することで外側のステーターコイルに「交流電力(AC)」が発生します。ただし、車載バッテリーや電子機器は直流(DC)でしか動作しないため、内部に組み込まれた「ダイオード(整流器)」によって交流を直流へ瞬時に変換し、「ICレギュレーター」と呼ばれる電子回路で電圧を常に約13.5〜14.5Vの適正範囲に制御しながら出力しています。
なお、昔の車で使われていた「ダイナモ」と現在のオルタネーターの違いについても触れておきましょう。ダイナモは直流電力を直接発電する仕組みでしたが、エンジンの低回転時(アイドリング中など)には十分な発電量が得られないという構造的弱点がありました。これに対し、交流で効率よく発電してから直流に変換するオルタネーターは、アイドリング状態でも安定した電力を供給できるため、昭和40年代以降の市販車においてダイナモから完全に置き換わりました。