『花の詩女 ゴティックメード』円盤化されない理由とFssの真実
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物語の舞台は、強大な列強諸国に支配された惑星カーマイン。代々受け継がれてきた民衆の精神的支柱「詩女(うため)」を襲名した少女ベリン・アジェと、彼女の警護任務を帯びた軍事大国ドナウ帝国の第3皇子トリハロンの旅路を描いたロードムービーです。
身分も思想も正反対の二人は当初、激しく対立します。武力を嫌い平和の祈りを捧げるベリンと、冷徹な軍人として育てられたトリハロン。しかし、過酷な砂漠の巡行を経て、突如として現れた反乱軍の巨大テロ兵器による襲撃を前に、トリハロンは自らが駆る漆黒の主条機・人型戦闘兵器GTM「ディー・カイゼリン」を起動させます。
カイゼリンが放つ重低音の衝撃波、フレームが軋むリアルな駆動音、そしてトリハロンの決死の太刀筋によってテロリストは瞬時に鎮圧されます。この圧倒的な武力の行使を目の当たりにしながらも、ベリンはただ力に屈するのではなく、人間としての気高き対話を求め続けます。旅の終わりに二人が交わした約束と別れは、数千年におよぶ星団史の行く末を決定づける運命の礎となっていきます。
この重厚なドラマに命を吹き込んだ声優陣の演技も見逃せません。詩女ベリン役を務めた川村万梨阿は、透明感と揺るぎない威厳を併せ持つ至高の声音でヒロインを体現。一方のトリハロン役を演じた佐々木望は、若き皇子の傲慢さと内面に潜む高潔さを見事に演じ分けました。さらに大塚明夫、折笠富美子、榊原良子ら実力派キャストが脇を固め、一切の無駄を排した劇伴音楽と相まって、極めて格調高い人間讃歌を創り上げています。