群馬サファリパーク事故の真相と教訓|トラ・クマ襲撃の原因と現在を検証
今注目を集めている 群馬サファリパーク事故の真相と教訓|トラ・クマ襲撃の原因と現在を検証について、詳しいまとめをご紹介しています。
群馬サファリパークの歴史を振り返る上で避けて通れないのが、1997年と2016年に発生した2件の死亡事故です。野生動物の予測不能な行動と、人間側の過信や構造的な不備が重なり合った結果、凄惨な事態を招きました。
1997年8月:ベンガルトラによる祖父母死亡事故の経緯
1997年8月、猛暑の夏休みに起きた事故は日本全国に強い衝撃を与えました。祖父母と幼い孫2人(当時5歳と1歳)を乗せた自家用車がトラゾーンを走行中、後部座席にいた祖母が孫のぐずりや座席移動をきっかけに車のドアを開けて車外へ出てしまいました。その瞬間、潜んでいたベンガルトラ(体重約150kg)が祖母に飛びかかりました。助手席または運転席から助け出そうと飛び出した祖父も次々に襲撃され、2人とも搬送先で死亡が確認されました。車内に取り残された孫2人は無事救出されたものの、目の前で身内を奪われる悲劇となりました。
警察の捜査および園の検証によると、死亡事故の原因は「猛獣エリア内での絶対下車禁止」という大原則が破られたことにありました。しかし同時に、緊急時に監視員が即座に威嚇・救出行動を取れなかった監視体制の盲点も浮き彫りとなり、管理責任のあり方が厳しく問撃されました。
2016年8月:巡回中の女性従業員がツキノワグマに襲撃された事故
トラ事故から19年が経過した2016年8月16日、今度は園の安全を守るべき従業員が命を落とす労働災害が発生しました。日本のクマゾーンで軽ワゴン車に乗ってパトロール・誘導業務を行っていた46歳の女性従業員が、オスのツキノワグマ(体長約1.3m、体重約110kg)に襲撃されたのです。
当時の発表によると、巡回車の左側窓に設置されていた防護用の金属パイプ枠の隙間からクマが車内に前足を差し入れ、パイプを押し曲げるようにして車内へ侵入。従業員は頭部や胸部、腹部に致命的な外傷を負い、ドクターヘリで搬送されたものの死亡しました。事故当時、車両の窓ガラスが換気のために開けられていたこと、パイプ枠の強度がクマの力学的な負荷に耐えうる設計でなかったことが問題視されました。