中国ハニートラップの巧妙な手口と実態|政財界が狙われる真相と対策
今注目を集めている 中国ハニートラップの巧妙な手口と実態|政財界が狙われる真相と対策について、多角的な視点を整理して公開しています。
映画やスパイ小説に登場するハニートラップといえば、華やかなパーティで妖艶な美女が近づき、一夜を共にして機密を盗み出すといった劇的な場面が連想されがちです。しかし、元警視庁公安部外事課で数多くのスパイ事案を追ってきた勝丸円覚氏をはじめとする治安関係者の証言は、そうしたステレオタイプを真っ向から否定します。
実際の工作員は、決して派手な「魔性の女」ではありません。むしろ、地味で素朴、親切で礼儀正しい印象を与える女性、あるいは共通の趣味や知的な関心を共有できる「良き理解者」としてターゲットの前に現れます。アプローチの現場も、現地のカラオケ店や高級クラブといった夜の歓楽街だけでなく、学術シンポジウム、日中友好イベント、ビジネスの商談会場など極めて日常的な場が選ばれます。
手口の流れは極めて計算されています。まずターゲットの家族関係、金銭状況、職務上の不満、女性の好みなどを徹底的にプロファイリングします。単身赴任中の孤独感や、組織内で正当に評価されていないという不満を抱える人物を見つけ出すと、偶然を装って接近。数カ月から数年をかけて心理的距離を縮め、完全に警戒が解かれた段階で男女の関係へと持ち込みます。
関係を持った直後、あるいは一定期間が経過した後に、盗撮写真や録音データなどの動かぬ証拠を突きつけ、「組織や家族に知られたくなければ、社内(省内)の内部資料を見せてほしい」と脅迫する美人局(つつもたせ)型のスパイ工作へと移行します。一度足を踏み入れると、脅迫と金銭供与の双面作戦によって抜け出せなくなるのが、中国国家安全部(MSS)などが用いる古典的かつ完成された手口です。