竪穴住居は平安まで存在?教科書で変わった真相と驚きの住み心地

竪穴住居は平安まで存在?教科書で変わった真相と驚きの住み心地について専門的な視点から解説いたします。最新の情報をご覧ください。

写真やイラストを見るだけでは伝わらないのが、竪穴住居の中で繰り広げられていた生々しい日常の空気感です。歴史公園や大学の実験考古学グループが実施した「復元竪穴住居での宿泊生活実験」の克明な手記からは、現代人の想像を超える過酷さと合理性が同時に浮き彫りになっています。

実験生活で判明した「煙」の二面性と室温データ

竪穴住居の最大の関門は、中央に切られた炉から立ち上る「煙」でした。茅葺き屋根の作り方は、骨組みとなる丸太に竹や細木を渡し、その上に厚さ30〜50cmにも及ぶススキやヨシを何層にも重ねて葺いていきます。気密性が高いため、薪を燃やすと室内はたちまち濃密な煙で満たされます。

実験に参加した研究者たちの手記によると、「立って歩こうとすると煙が喉を突き刺し、涙が止まらなくなって呼吸すら困難になる」と語られています。しかし、床上30〜50cmほどの高さ、すなわち地べたに座ったり横たわったりしている姿勢であれば、不思議なことに煙の層の下に入り、澄んだ空気を吸うことができたのです。煙は屋根裏に滞留しながら茅の隙間から徐々に抜けていきます。

この煙は単なる迷惑物ではありませんでした。茅葺き屋根の隙間に巣食う害虫を駆除し、木材や茅を燻製状態にして防腐・防カビ効果をもたらす不可欠なメンテナンス機能を果たしていたのです。火を焚かなくなった復元住居の茅葺き屋根がわずか数年で腐朽するのに対し、日々煙で燻されていた古代の住居は10年から20年もの耐久年数を誇りました。室温についても、外気温がマイナス5度を記録する真冬の真夜中でも、地熱と残り火のおかげで室内は8〜12度前後をキープできたという検証データがあります。

排泄とゴミ処理はどうしていたのか?衛生環境の盲点

住環境として避けて通れないのが「トイレと衛生」の問題です。竪穴住居の床面から人糞が直接検出されることは極めて稀であり、古代人にとって住居内での排泄は衛生面・宗教的観点の双方からタブー視されていました。

発掘調査では、集落の周縁部に設けられた土坑(穴)や、生活ゴミが投棄された貝塚の周辺から、糞便由来の有機物や寄生虫卵(鞭虫や回虫など)が特定されています。つまり、排泄は基本的に住居の外の定められた場所で行われていました。また、集落内を流れる小川や湧水点が生活用水と排泄の分別に活用されていた形跡も見られます。閉鎖された竪穴空間を衛生的に保つため、排泄物や腐敗性のゴミは徹底して外へ持ち出すという厳格な生活規範が集落内で共有されていたのです。

山田 真由

山田 真由

自動車・モビリティライター

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

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