化学反応式の係数が合わない理由とは?目算法と未定係数法の完全解法

化学反応式の係数が合わない理由とは?目算法と未定係数法の完全解法について専門的な視点から解説いたします。詳細な分析をご確認ください。

化学反応式の係数合わせを学ぶ際、ネット上の解説動画やまとめ記事でしばしば見落とされている重要な盲点が2点あります。それが「イオン反応式」と「酸化還元反応式」における係数の扱い方です。

第1の盲点は、イオン反応式の係数における「電荷の保存」です。通常の反応式では「左右の原子数」を一致させれば正解となりますが、イオンを含む反応式では「両辺の電気量(プラス・マイナスの総和)が一致していること」が絶対条件となります。

例えば、銅片を硝酸銀水溶液に入れたときの反応を考えます。
誤った答案で非常に多いのが「Cu + Ag+ → Cu2+ + Ag」という記述です。銅原子も銀原子も左右で1個ずつ合っているように見えますが、左辺の電荷は「+1」、右辺の電荷は「+2」となっており、電気的に釣り合っていません。正しくは、電気量を合わせるためにAg+とAgの係数を「2」にし、「Cu + 2Ag+ → Cu2+ + 2Ag」としなければなりません。原子数だけでなく電荷の合計まで確認する癖をつけることが、共通テストでの致命的な失点を防ぎます。

第2の盲点は、ネット上で散見される「酸化還元反応式もすべて未定係数法で解けばよい」という極論です。確かに未定係数法を使えば解くことは可能ですが、酸化還元反応式の作り方としては本質から外れており、計算量が膨大になって試験時間を圧迫します。酸化還元反応は、酸化剤と還元剤の「半反応式」をそれぞれ書き、やり取りされる電子(e-)の数を最小公倍数で揃えて消去する方が圧倒的に速く、ミスも起きません。単なる数字合わせに終始せず、反応の背後にある電子の授受を理解することが真の得点力につながります。

中島 亮太

中島 亮太

写真家・フォトエディター

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest