猫の10歳は人間で56歳!シニア期の体調変化と寿命を延ばす全対策
猫の10歳は人間で56歳!シニア期の体調変化と寿命を延ばす全対策の最新情報をお届けします。専門的な知識が満載です。
10歳を境に発症率が急増する疾患群の中でも、圧倒的な警戒が必要とされるのが「慢性腎不全(慢性腎臓病)」「甲状腺機能亢進症」「がん(悪性腫瘍)」、そして「変形性関節症」です。猫は本来、野生時代の名残から体調不良を隠す習性があり、飼い主が気付いたときには手遅れに近いステージまで進行している事例が後を絶ちません。
代表的な異変として相談件数が多いのが「猫の10歳で痩せてきた理由」です。食事量が減っていない、あるいはむしろ旺盛に食べているにもかかわらず、背骨や骨盤のラインがゴツゴツと浮き出てくる現象は、単なる加齢による筋肉減少(サルコペニア)だけでは説明がつきません。
猫の10歳における腎不全の初期症状は、非常に静かに現れます。腎臓のろ過機能が壊れ始めると、体内の老廃物を薄い尿として大量に排出せざるを得なくなるため、「おしっこの量と回数が増え、水を飲む量が急激に増える(多飲多尿)」という兆候が真っ先に出現します。体重1kgあたり1日に50ml以上の水を飲むようになった場合は、すでに腎機能の約70%が不可逆的に失われている疑いがあります。
一方で、「食欲が旺盛で元気に動き回っているのに急激に体重が落ちる」「毛艶が悪くなり目つきがギラギラしている」といった症状がある場合は、甲状腺ホルモンが過剰分泌される甲状腺機能亢進症の可能性が極めて濃厚です。代謝が異常に亢進して自らの筋肉を燃焼させてしまう疾患であり、放置すれば重篤な高血圧症や心不全を引き起こします。