コレシストキニンとは?食欲抑制と胆嚢収縮の驚くべき仕組みを徹底解明
コレシストキニンとは?食欲抑制と胆嚢収縮の驚くべき仕組みを徹底解明について知っておくべき 注意点を分かりやすく解説いたします。
コレシストキニン(CCK)は、十二指腸および空腸上部の粘膜上皮に点在する十二指腸I細胞から分泌される消化管ホルモンです。その名称は、ギリシャ語の「chole(胆汁)」「cysto(嚢・袋)」「kinin(動かすもの)」に由来しており、文字通り胆嚢収縮ホルモンとして1928年に発見されました。
その後、膵臓からの消化酵素分泌を促す「パンクレオザイミン(PZ)」という物質が別に発見されましたが、後年の研究によって両者が全く同一のペプチドであることが判明しました。そのため、医学分野では「CCK-PZ」と併記されることもあります。このホルモンが持つ代表的な作用は、大きく分けて次の2点に集約されます。
第一に、胆嚢の平滑筋を強力に収縮させ、同時に十二指腸への出口にあたるオッディ括約筋を弛緩させる働きです。これにより、肝臓で作られて胆嚢内に濃縮・貯蔵されていた胆汁が一気に十二指腸へと押し出されます。胆汁酸は脂質を乳化し、消化酵素が働きやすい状態へと物理的に整える不可欠な役割を果たします。
第二に、膵酵素分泌の働きです。膵臓の外分泌腺である腺房細胞に直接作用し、リパーゼ(脂肪分解酵素)、アミラーゼ(糖質分解酵素)、トリプシノーゲン(タンパク質分解酵素の前駆体)などを含む、濃厚な消化酵素に富んだ膵液を分泌させます。脂質やタンパク質という「分解に手間のかかる高分子の栄養素」が胃から十二指腸に滑り込んできた瞬間、CCKは胆汁と膵酵素という二大消化液を同時に呼び寄せる完璧な連動システムを完結させています。