神宮球場建て替えの現在地と外苑再開発の真相|100周年の聖地を徹底解剖
神宮球場建て替えの現在地と外苑再開発の真相|100周年の聖地を徹底解剖にまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。
神宮外苑の再開発を巡っては、イコモス(国際記念物遺跡会議)国内委員会からの環境保全に関する要請や、音楽家をはじめとする文化人、市民団体による樹木伐採反対の署名活動など、極めて大きな社会的議論へと発展しました。SNS上でも「歴史ある緑豊かな景観を壊すべきではない」「100年かけて育てた杜を守れ」といった懸念の声が数多く投稿されました。
一方で、なぜこの大規模な再開発が必要とされたのかという根本的な理由には、都市防災の向上と宗教法人明治神宮の財政基盤という構造的要因が存在します。神宮外苑は、民間企業ではなく宗教法人明治神宮が所有する私有地を中心としたエリアです。内苑(原宿・代々木の杜)を維持・管理するための財源は、外苑のスポーツ施設や貸地事業からの収益によって賄われてきた歴史があります。
築100年を迎え耐震性やバリアフリー性能の限界に達した球場施設の維持管理コストは年々膨大化しており、将来にわたって内苑の杜と外苑の緑を維持し続けるためには、民間資本を活用した複合的な都市再生が不可欠であったという側面があります。事業者側は批判を受け止め、伐採本数の削減や移植計画の精度向上、4列のイチョウ並木の根系への影響を避ける設計変更など、保全と開発の妥協点を見出す見直し案を段階的に提示してきました。