犬のサマーカットは逆効果?毛が生えないリスクと後悔しない新常識
犬のサマーカットは逆効果?毛が生えないリスクと後悔しない新常識について重要なポイントを解説いたします。最新の情報をチェックしてください。
犬のサマーカットで失敗する理由を構造的に理解するためには、犬の被毛構造が「ダブルコート(二重毛)」か「シングルコート(単層毛)」かを知る必要があります。この毛質の差異を無視して一律にバリカンを当てることこそが、数々の悲劇の元凶です。
ダブルコート犬種は、太くて硬い「オーバーコート(上毛)」と、柔らかく密生して保温を担う「アンダーコート(下毛)」の二層構造を持っています。春から初夏にかけてアンダーコートが大量に抜け落ちることで、夏場の通気性を自然に確保する自己調整メカニズムが備わっています。代表的な犬種は柴犬、ポメラニアン、コーギー、ゴールデン・レトリーバー、チワワ(ロングコート)などです。
一方、シングルコート犬種はアンダーコートをほとんど持たず、毛が抜け落ちずに人間の髪の毛のように伸び続ける特徴を持ちます。プードル、マルチーズ、ヨークシャーテリア、シー・ズーなどがこれに該当します。
とりわけ柴犬のサマーカットのデメリットは極めて深刻です。日本犬の被毛は日本の湿潤な気候に適応して進化しており、オーバーコートが雨や強い日差しを弾き、換毛によってアンダーコートが抜けることで風の通り道を作ります。ここにバリカンを入れると、紫外線と熱気で皮膚が直射され、アレルギー性皮膚炎や毛包炎の引き金となります。
また、ポメラニアンのサマーカットの評判として人気を博した「柴犬カット」や「ライオンカット」も、トリマーの間では最もトラブル事例が多いスタイルとして知られています。綿菓子のような独特の被毛構造を持つポメラニアンは、首回りや胴体を短く刈り込むと毛根が萎縮しやすく、二度と元の美しいボリュームを取り戻せないケースが後を絶ちません。