神経原性ショックでなぜ徐脈に?脊髄ショックとの違いと救急治療の真相

神経原性ショックでなぜ徐脈に?脊髄ショックとの違いと救急治療の真相について見逃せない 事実を厳選して解説いたします。

救急医学におけるショック分類(Hinshaw and Cox分類)では、心原性、循環血液量減少性、心外閉塞性・拘束性、そして血液分布異常性(ディストリビューティブ・ショック)の4つに大別されます。神経原性ショックは、この中の血液分布異常性ショックに位置づけられます。

血液分布異常性ショックの分類と特徴を整理すると、代表格である「敗血症性ショック」「アナフィラキシーショック」、そして「神経原性ショック」が存在します。いずれも血管内腔が異常に拡張し、全身血管抵抗(SVR)が著しく低下する点では共通していますが、心臓側の反応において神経原性ショックは決定的な特異性を持ちます。

敗血症やアナフィラキシーでは、体内に放出された炎症性サイトカインやヒスタミンによって末梢血管が拡張するものの、交感神経系は正常に機能しているため、心臓は必死に拍動を早めて心拍出量を増やそうとします(高拍出性ショック・頻脈)。しかし神経原性ショックでは、血管拡張を止める交感神経指令が出せないだけでなく、心拍数を上げるアクセルも踏めません。つまり、「末梢血管の虚脱」と「心拍出の代償不能」が同時に襲いかかるため、極めて短時間で全身臓器の低灌流が固定化してしまう脆さを抱えているのです。

池田 達也

池田 達也

マネー&キャリアエディター

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest