痰が出る咳が長引く原因とは?痰の色で見分ける病気と受診の目安
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診察室で呼吸器内科医が患者に対して真っ先に確認する項目の一つが、「痰の色」です。痰の色調は、気道の中で現在どのような戦いが起きているかを可視化するバイオマーカーと言えます。
一般的に、風邪の初期やアレルギー性鼻炎、咳喘息の初期に排出される痰は、無色透明または白っぽく粘り気があります。これは好酸球やリンパ球主体の反応、あるいは単なる気道液の過剰分泌であることが大半です。
一方、注意が必要なのが痰の色 黄色 緑 原因となる病態です。痰が黄色や緑色に濁る最大の要因は、細菌と戦った白血球(特に好中球)の死骸や、好中球に含まれる酵素「ミエロペルオキシダーゼ」が大量に混入することにあります。ウイルス感染から二次性の細菌感染へ移行したサインであり、急性気管支炎や肺炎、慢性副鼻腔炎の増悪が疑われます。さらに緑色が濃い場合、緑膿菌感染など治療に難渋する病原体の関与も視野に入れなければなりません。
痰の色調と性状から推測される代表的な状態を、以下の客観的データ表にまとめました。
痰の色・性状疑われる主な疾患・原因一般的な危険度・基準臨床現場の見解・対応無色透明〜白色・粘液性ウイルス性上気道炎初期、咳喘息、アレルギー性鼻炎、後鼻漏軽度〜中等度(数日〜1週間で軽快することが多い)安静と保湿で経過観察可能だが、夜間の咳込みが続く場合は吸入薬の適応を検討。黄色〜黄緑色・膿性細菌性気管支炎、細菌性肺炎、慢性気道感染症の急性増悪中等度〜高度(好中球増多・細菌感染を示唆)自然治癒が遅れやすいため抗菌薬の処方判断が必要。数日続くなら内科受診。鮮緑色〜濃緑色・悪臭気管支拡張症、肺膿瘍、緑膿菌感染症高度(組織破壊や耐性菌感染の懸念)喀痰培養検査および胸部CT検査が必須。専門医療機関での徹底治療が必要。赤色・ピンク色・血痰肺がん、肺結核、肺塞栓症、急性肺水腫(心不全)最重度(即日精査が求められる緊急レベル)咽頭の小出血との鑑別要。1回でも血痰が出た場合は速やかに呼吸器内科へ。鉄さび色・暗赤色肺炎球菌性肺炎、肺アスペルギルス症重度(肺胞レベルでの出血と炎症)高齢者では急速に重症化し敗血症へ移行するリスクがあるため入院加療を想定。