松竹梅はどれが上?本来は優劣なしの真相と料理店の格付けを徹底解剖

松竹梅はどれが上?本来は優劣なしの真相と料理店の格付けを徹底解剖について専門的な視点から解説いたします。専門家の見解をご覧ください。

序列が存在しなかったはずの吉祥植物が、なぜ飲食店のメニューで「3段階の格付け」に使われるようになったのでしょうか。その決定的な引き金となったのは、江戸時代の外食産業の成熟と、「客のプライドを傷つけないための配慮(粋の文化)」でした。

当時、寿司屋や蕎麦屋ではメニューを「特上・上・並」あるいは「大・中・小」といった直接的な言葉で区分していました。しかし、庶民にとって「並」を注文することは、「自分は安いものしか頼めない懐事情だ」と周囲に公言するような居心地の悪さを伴います。見栄っ張りで体面を重んじる江戸っ子たちにとって、この格差の可視化は非常に野暮なものでした。

そこで飲食店の主人が考案したのが、どれを選んでもめでたい「松・竹・梅」への置き換えです。一番手頃な価格帯を頼んでも「梅を頼んだ」という体裁が保たれ、卑屈にならずに食事を楽しめるという、店側の繊細な心配りが発端でした。

なお、なぜ「松」がトップに据えられたのかについては、日本古来の民間信仰が影響しています。松は神が降り立つ依代(よりしろ)として古くから信仰を集めており、平安貴族の庭園でも最重要樹木とされてきました。一方、竹は室町時代、梅は江戸時代に吉祥の輪へ順次加わった経緯があるため、「日本文化に定着した歴史の古さ」がそのまま松・竹・梅の序列順へと結びついたとされています。

林 結菜

林 結菜

ライフスタイル編集者

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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