ジブリ名作On Your Mark完全解説|封印の真相と裏設定
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本作最大の特徴であり、多くの考察を生み出しているのが「時間の巻き戻し(ループ構造)」です。作中では、警官2人が少女を救出しようとするプロセスが3回にわたって異なる展開を見せます。
ラストシーンにおいて、2人は黄色の旧型アルファロメオ(ジュリエッタ・スパイダー)を駆り、防護マスクを外して汚染された地上世界を疾走します。そして少女の手を取り、彼女を澄み切った青空へと放ちます。少女は力強く羽ばたき、2人を見下ろしながら彼方へと飛び去っていきます。
この結末は一見すると爽快なハッピーエンドに見えますが、極めてシビアな現実を内包しています。2人がいる場所は高濃度の放射線が漂う危険地帯であり、彼らは人間である以上、そこに留まり続ければ命の保証はありません。車を停めて少女を見送った2人は、自らも空を飛べるわけではなく、重力と汚染に縛られた地上に残されます。宮崎監督がタイトル『On Your Mark(位置について)』に込めたのは、「状況がどれほど絶望的であっても、僕らはここからもう一度スタートを切るしかない」という、過酷な現実を引き受けて生きる覚悟そのものだったのです。