赤伝票とは?黒伝票との違いや正しい切り方・2026年インボイス実務を徹底解説
赤伝票とは?黒伝票との違いや正しい切り方・2026年インボイス実務を徹底解説の真相や最新動向に迫る! わかりやすい言葉でまとめました。
会計上の訂正手続きであるはずの赤伝票ですが、日本の商慣習、とりわけ建設業界や製造受託の現場においては、まったく別の意味合いを帯びて使われてきた暗部が存在します。それが「赤伝処理(相殺)」と呼ばれる慣行です。
元請業者が下請業者に対して工事代金を支払う際、現場で発生した安全衛生費、廃棄物処理費用、駐車場代、合見積もりの諸経費などを理由に、元請側が一方的に赤伝票を発行して下請代金から差し引いて支払う。長年にわたり業界の「通例」とされてきたこの行為は、現在、監督官庁による極めて厳しい監視下に置かれています。
公正取引委員会および中小企業庁、国土交通省の明確なガイドラインによると、以下のような赤伝処理は下請代金支払遅延等防止法(下請法)第4条第1項第3号(下請代金の減額の禁止)、および建設業法第19条(不利益な取り扱いの禁止)に違反する違法行為とみなされます。
- 事前の書面合意がない相殺:契約時や見積時に明記せず、支払段階になって突然「安全協力会費」や「処分費」を赤伝で差し引く行為。
- 実費を上回る過大な控除:元請側が実際に負担した実費を超えて、定率(例:工事代金の数%一律)で差し引く行為。
- 下請側に責任のない費用負担:元請の管理不手際で生じた現場清掃費などを一方的に下請の赤伝として処理する行為。
「業界の常識だから」「昔からみんなやっているから」という言い訳は一切通用しません。公の場で見せる元請企業のコンプライアンス宣言とは裏腹に、水面下でこうした不当な赤伝相殺を強要した企業が、公正取引委員会からの是正勧告を受け、企業名を公表される事例が近年相次いでいます。赤伝票は自社の勝手な都合で支払いを削るための免罪符ではなく、あくまで「両者の合意に基づいた取引の清算記録」でなければならないのです。