アルコール発酵の反応式と仕組みを解明!Atp収支や乳酸発酵との違い

アルコール発酵の反応式と仕組みを解明!Atp収支や乳酸発酵との違いに関する最新の話題を詳しく解説いたします。

アルコール発酵のプロセスを分子レベルで追跡すると、大きく分けて「解糖系ステージ」と「エタノール生成ステージ」の2段階で構成されています。酵母菌の細胞質基質で何が起きているのか、順を追って整理します。

第1段階:解糖系によるグルコースからピルビン酸への分解

まず、1分子のグルコース(C₆H₁₂O₆)が複数の酵素群によって酸化・分解され、2分子のピルビン酸(CH₃COCOOH)になります。この過程で、脱水素酵素によって奪われた電子と水素イオンが補酵素であるNAD⁺に渡され、2分子のNADH+H⁺が作られます。同時に、基質レベルのリン酸化によって正味2分子のATPが合成されます。

C₆H₁₂O₆ + 2NAD⁺ + 2ADP + 2Pi → 2CH₃COCOOH + 2NADH + 2H⁺ + 2ATP

第2段階:ピルビン酸の脱炭酸によるアセトアルデヒド生成

次に、生成したピルビン酸から二酸化炭素が切り離されます。この反応を触媒するのがピルビン酸脱炭酸酵素です。炭素数3のピルビン酸から炭素1つがCO₂として放出されることで、炭素数2のアセトアルデヒド(CH₃CHO)が2分子生成されます。酒造りやパン作りで気泡(炭酸ガス)が生じるのは、まさにこの脱炭酸反応が起きている直接の証拠です。

2CH₃COCOOH → 2CH₃CHO + 2CO₂

第3段階:アセトアルデヒドの還元とNAD⁺の再生

最終ステップでは、アルコール脱水素酵素の働きにより、アセトアルデヒドが第1段階で作られたNADHによって還元され、エタノール(C₂H₅OH)へと変換されます。この際、NADHは酸化されてNAD⁺に戻ります。

2CH₃CHO + 2NADH + 2H⁺ → 2C₂H₅OH + 2NAD⁺

なぜ酵母菌はわざわざエタノールを作るのでしょうか。それは、解糖系を回し続けるために不可欠なNAD⁺を枯渇させないためです。酸素が存在しない環境下では呼吸鎖(電子伝達系)が機能しないため、NADHを酸化してNAD⁺を回収する還元経路としてエタノール生成が不可欠となります。

山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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