米津玄師の音域を完全解剖!名曲の最高音・最低音と歌唱技術の全貌
米津玄師の音域を完全解剖!名曲の最高音・最低音と歌唱技術の全貌の重要ポイントをご紹介します。最新トレンドがチェックできます。
ライブや特番ドキュメンタリーで本人が語ってきた発声へのこだわり、そして近年のボイストレーニングの成果が如実に現れているのが、米津玄師のミックスボイスの完成度です。キャリア初期(ハチ名義〜『diorama』期)における彼の歌声は、喉を絞って喉頭位置を高くした、エッジの効いた尖った発声が主体でした。しかし、アルバム『BOOTLEG』から『STRAY SHEEP』、そして『LOST CORNER』へと至る過程で、その発声フォームは劇的な進化を遂げています。
現在の彼は、太いチェストボイス(胸部共鳴)を保ったまま、声帯の振動面積を薄くコントロールして中高音へと繋ぐミドルボイスの精度が卓越しています。米津玄師の地声と裏声の境界線(喚声点=パッサッジョ)を耳で感知することは極めて困難であり、どこまでが地声でどこからがヘッドボイスなのかをリスナーに意識させない滑らかさを実現しています。
音響音声学の視点から見ても、彼は声門閉鎖の圧力をミリ単位で調整しながら、咽頭腔(喉の奥の空間)を広く保つフォームを身につけています。これにより、倍音成分(フォルマント)が豊かに響き、太く逞しい響きを損なうことなくhi域の高音へ駆け上がることが可能となっています。ただ声を張り上げるハイトーンではなく、「低音の成分を含んだままの高音」を鳴らせる点こそ、プロの専門家が高く評価する米津玄師の歌唱力の評判を決定づけています。