分娩時間とはどこから測る?初産・経産の平均差と母子手帳の真実
分娩時間とはどこから測る?初産・経産の平均差と母子手帳の真実の詳細について、専門知識を基に徹底解説します。
多くの初産婦が抱きがちな誤解が、「病院の分娩室に入って分娩台に上がってから、赤ちゃんが産まれるまでの時間」を分娩時間と呼ぶのではないかという認識です。しかし、医学的な「分娩時間(分娩所要時間)」のカウントは、はるか手前の自宅リビングや陣痛室の段階からすでに始まっています。
日本産婦人科学会の定義によると、分娩開始の合図は「30秒以上持続する痛みを伴う規則的な子宮収縮(陣痛)が、10分以内の間隔、または1時間に6回の頻度で起こるようになった時点」と定められています。痛みがどんなに強くても、間隔が20分や30分と不規則であれば、それは本陣痛ではなく「前駆陣痛」とみなされ、分娩時間にはカウントされません。
また、計測の「ゴール地点」も赤ちゃんの産声を聞いた瞬間ではありません。赤ちゃんが誕生した後、子宮から胎盤や卵膜が完全に娩出される「後産(こうさん)」が完了した瞬間こそが、分娩時間の正式な終了点です。つまり、分娩時間とは「規則的な本陣痛の開始から、胎盤の娩出完了まで」のトータル時間を指します。
なお、陣痛よりも先に破水(前期破水)からお産がスタートした場合であっても、破水した時点からカウントするのではなく、破水後に規則的な陣痛が10分間隔で定着したタイミングが分娩開始時間として記録されます。破水から本陣痛が始まるまでに半日を要した場合、その半日は医学上の分娩所要時間には含まれません。