ドリカム「うれしい!たのしい!大好き!」誕生秘話と愛される理由
ドリカム「うれしい!たのしい!大好き!」誕生秘話と愛される理由の見逃せないポイントをわかりやすく整理しました。
音楽史において、カップリング曲が表題曲を凌駕する社会現象となるケースは極めて稀です。ドリカムの「うれしい!たのしい!大好き!」は、まさにその代表例と言えます。発売日と制作経緯を辿ると、本楽曲が世に出たのは1989年9月1日。ドリカムにとって通算3枚目のシングル『うれしはずかし朝帰り』のカップリング曲(EP盤のB面)としてのリリースでした。
当時、リーダーの中村正人はバンドの音楽的リーダーシップを執りながら、ソウルやファンク、モータウンサウンドを日本のポップスへ昇華させる緻密なアレンジを追求していました。一方で、作詞・作曲を手掛けた吉田美和のメロディと言葉は、従来の歌謡曲的な情緒や湿っぽさを鮮やかに吹き飛ばす、規格外のエネルギーに満ち溢れていたのです。制作当時の回顧録や関係者の証言によると、スタジオでこの楽曲のデモテープが流れた瞬間、現場のスタッフ全員がその異次元のキャッチーさに息を呑んだと伝えられています。
シングル発売からわずか2か月半後の1989年11月22日、大ヒットを記録することになる収録アルバムLOVEGOESON(『LOVE GOES ON』)のオープニングナンバー(1曲目)として本曲が配置されました。アルバム全体の幕開けを飾る堂々たる構成は、メンバーと制作陣がこの曲に託した並々ならぬ自信の表れでした。結果として、アルバムのメガヒットとともに楽曲の知名度は急上昇し、ファンの間でも「表題曲以上のキラーチューン」としての地位を瞬く間に確立したのです。