郷ひろみ『哀愁のカサブランカ』色褪せぬ名曲の真実と大人の色香
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本作を語る上で欠かせないのが、アメリカのシンガーソングライターであるバーティ・ヒギンス(Bertie Higgins)が歌った原曲『Casablanca』の存在です。原曲は1982年に全米ビルボードのアダルト・コンテンポラリー・チャートで1位を獲得し、世界的な大ヒットを記録しました。
原曲と郷ひろみ版の決定的な違いは、哀愁のカサブランカ 歌詞 意味の根底にある心理描写の構造にあります。バーティ・ヒギンスの原曲は、1942年の名作カサブランカ 映画 ハンフリー・ボガート主演作をドライブインシアターで恋人と観た甘酸っぱい思い出と、去りゆく恋人へのストレートな未練を描いたノスタルジックなラヴソングでした。
対して、名匠・山川啓介が手掛けた日本語詞は、単なる直訳にとどまりません。「抱きしめると いつも君は 煙草の匂いがした」という衝撃的な導入から始まり、大人の男女の複雑な別れと、忘れ得ぬ面影への葛藤を陰影深く描き出しました。映画『カサブランカ』の有名な台詞「君の瞳に乾杯」を直接引用するのではなく、男の美学と哀愁を漂わせる文学的な情景描写へと昇華させた点が、日本全国のリスナーの心を強く揺さぶったのです。