音符ゼロでどう演奏?謎の図形楽譜の読み方と名作を徹底解説

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図形楽譜が本格的に台頭したのは、1950年代から1960年代にかけてのアメリカおよびヨーロッパの現代音楽シーンです。第二次世界大戦後、トータル・セリー(すべての音響要素を厳密に数理統制する音楽)が行き着くところまで達した反動として、作曲家たちは「五線譜では表現しきれない未知の響き」を求め始めました。

五線譜は12音階や均等な拍子を前提として作られているため、電子音楽のノイズ、微小音程(半音より狭い音)、息の吹き込み音、楽器のボディを叩く特殊奏法などを正確に書き留めることが困難でした。そこで前衛芸術家たちは、従来の枠組みを打ち破る新しい記譜法としてグラフィックスコアを開発したのです。

この潮流を決定づけたのが、「不確定性の音楽」や「偶然性の音楽(アレアトリー)」の概念です。あらかじめ完成された音楽を再現するのではなく、「演奏されるその瞬間、その場所でしか生まれない音」を肯定する思想が根底にあります。図形楽譜は、作曲家がすべての決定権を握る中央集権的な関係から、演奏者を作曲の共同創造者へと引き上げる革命的な装置でした。

木村 陽翔

木村 陽翔

テックライター兼ウェブディレクター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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